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かんぴょうあれこれ

      

かんぴょうあれこれ

 

ゆうがおとかんぴょう

 

僕が、初めてゆうがおの実を見た時の印象は、黒い縞模様が無いスイカだと思うくらいで、球状のゆうがおが、なぜ紐状のかんぴょうになるのか不思議でした。

  北海道出身の僕は、ゆうがおの実自体を知りませんでした。栃木県に住み,

かれこれ45年になりますが、栃木県がかんぴょうの生産量全国第1位だということも知りませんでした。

 ところで、かんぴょうを使った食べ物というと、まず思い付くものは、細巻きずし、太巻きずし等が一般的でしょう。あっ!恵方巻きも忘れてはなりません。

我が家では味噌汁の具にします。これは意外と美味しいですよ。それから玉子とじの澄まし汁に入れたり、筑前煮にも入れます。

お店などでは和菓子や洋菓子にも入れて工夫をしている様ですが、かんぴょうの菓子等の加工品が、県外で「よく売れるよ」という声はなかなか聞かれませんよね。

かんぴょうのことを頭をひねって、あれこれ考えてみました。

えっと、巻ずし(細・太)はあるけれども、おにぎりの具にかんぴょうは無いですよね。

おにぎりの具にした状態を想像してみましょう。

かんぴょうはおにぎりの中央付近で鎮座しております。

さてと、食べてみますか。まず一噛み二噛みと食べすすみ、かんぴょうにたどり着いた時、そこにはどんな感動があるでしょうか。 

 

 

かんぴょう巻にうなされた自分

 

 最近やたらと目に付くのが食べ歩きの番組です。自分は寝そべってテレビを観るのが習慣なので何気なく見てしまうことがあります。

男女のグルメレポーターが、「隠れた名店」と題して幾つかの店を回り、その店自慢の一品を食べ歩くという、お約束どおりと言うか芸が無いと言うしかありません。そして一口食べては、気の利いたコメントを言う、という流れで番組は進んでいくのであります。

ある晩いつもと変わらず、マンネリ化した番組が始まりました。人が食べている姿を見ていて、つまらない、面白く無い、と自分は思うのであります。

そしていつもの如くチャンネルを変えようとしたその時であります。

 

レポーターが大口をあけ太巻き寿司をほおばるシーンが目にとまったのであります。

そして、大きな声で「ご主人! これは美味しいですね、巻いてある中の具材は、味付けをしたかんぴょうなんですね。」と言われた店のご主人もまんざらでもない顔をしているのであります。

おっ、かんぴょう?そうだ!かんぴょうだ!最近かんぴょう巻きを食べていないと突然頭をよぎったのであります。

 そうなると、もう頭のなかは、すべてかんぴょうであり、かんぴょう巻きが何本も飛び交っている状態なのであります。

 

元来の食いしん坊で、かんぴょうに目が無い自分ですから血がザワワ、ザワワと抑えきれない状況になってしまったのであります。

速、口に入れたい衝動に駆られ、いてもたってもいられません。

しかし今は夜の9時過ぎであります。この時間に営業をしているお店というとコンビニぐらいなものです。ここは我慢なのです。

かんぴょう巻きを忘れる為には、眠るのが一番なのでありますが、かんぴょう狂いの自分は、もんもんと眠れぬ夜を過ごすのでありました。

 翌日、近所のだんご屋へかんぴょう巻きを求め、いそいそと出かける自分なのであります。

 

 近所にあるこの店は、だんごだけではなく、巻き寿司・いなり寿司・赤飯等の販売をなりわいとしているのであります。 

 お店に着いた自分の視線は、ガラスケースの中の巻き寿司をうろうろと探しまどうのであります。

あった!ありました!お目当ての巻き寿司であります。太巻きも細巻きも。

よしよし、早速に買って帰ろう。売り子さんに太巻き1本・細巻き(当然かんぴょう巻きですよ)3本を注文して、巻き寿司を受け取りお勘定を済ませて、心はもう有頂天なのであります。

 

帰り道は心も足取りも軽く、来た時よりも、早く家に着いた様な感じでありました。 

 すぐさま一切れのかんぴょう巻きを「今までよーく我慢できましたね」とばかりに、口の中に放り込んだのであります。一噛み、一噛み事に口に拡がりくる満足感、これはもう至福の境地、感動なのであります。

 そんな境地にひたりながら自分は考えたのであります。かんぴょうは、巻き寿司にはとても重要な立場にあるのですが、目立たず、そこにあって当たり前という存在なのです。ガンバレ、かんぴょう!と応援したくなってくるのです。

応援だけではなく、かんぴょうを調べる必要があると思ったのであります。

どこから手を付けようかと考えあぐね、とにかく歴史から手を付けようと思い調べることにしたのであります。

これ程までに自分をとりこにしてしまうかんぴょうとは、いったい何者だ!どこから渡って来たのだ!いや、元々日本に自生しているものなのか!という疑問が沸々と頭の中にわいてきたのでありました。

そうだ調べよう!早速、図書館へ行き、数々の資料等をみてわかってきたのであります。

 

かんぴょうの起源

 

 “ゆうがお”はアフリカ南部からインドを渡り中国・朝鮮半島を経て日本へ渡ってきたのが、初めと伝えられているのであります。*何世紀?

日本では、1712年に近江の国(滋賀県)水口から、下野の国(栃木県)壬生に任地を移された*鳥居忠英(ただてる)が、近江で栽培されていた“ゆうがお”の種子を持参し赴任してきたのです。

赴任先の下野の国には、特産物がとぼしく、豊かとは言えない地域であったのです。そこで考えたのが“ゆうがお”を栽培し、農業の活性化をもたらしたいという想いなのであります。

そうそうに壬生出身の郡奉行、松本茂右衛門に種子を渡し、ゆうがおをこの地で栽培することを命じたのであります。

主の命令を受けた茂右衛門は、黒川流域にある幾つかの村の長(おさ)を呼び寄せ試作をする様、命じたのであります。

そして唯一、藤井村だけが栽培に成功したのでありました。村の長、篠原文作より“ゆうがお”の栽培に成功したとの吉報が鳥居忠英にあったのであります。これが下野の国での“ゆうがお”栽培の始まりと言われているのであります。

 

中国・朝鮮半島では“ゆうがお”の実をよく育て、乾燥させ外皮が硬くなった物の中身をくり貫き、炭入れ等に利用していたのであります。のちに下野では、この器を“ふくべ”と呼ぶのであります。

一方日本では、先人の地質改良や品種改良等のたゆまぬ努力がみのり“ゆうがお”の実を食用とすることに成功出来たのであります。

“ゆうがお”を食べやすくする工夫として、ひも状に削ぎ干して、乾燥した物をかんぴょうと言うのでありました。

かんぴょうは海苔巻きの芯、稲荷寿司の帯などに利用され江戸の武家町人に、こよなく愛されたのであります。

 

かんぴょうとスローフード

 

スローフードとは、ファーストフードに対抗するために生まれた言葉です。

食糧生産を世界規模で地域ごとに分業し、グローバルに効率のよい受給システムをつくろうとするなら、効率が優先され、味も単一化され、生産も消費も企画化されてしまいます。

収益システムも効率化されるのですから、富める人は資金を投入して競争に勝ち残り、貧しい人はさらに貧しくなっていきます。

そのようにして生まれたファーストフードに抵抗しようとする運動がスローフード運動です。

 

栃木のかんぴょうは、江戸時代の効率優先の受給システムから生まれたもので、栃木の農家はつくれといわれてつくっていたのです。江戸や上方での消費に応えるためにつくり続けて今に至るのです。

消費者の声が届かないから、生産に工夫が生まれず、同じものばかりがつくられ続けました。地元での消費が限られていましたから、かんぴょうの特徴を知る人も限られていました。

どうやら、下野かんぴょうは、江戸や上方のファーストフードの原材料を提供していただけなのかもしれません。日本の中央集権志向は、明治維新や大戦後も変わらず、地方の産物は中央のために存在するのです。

 

最近になって、栃木県や下野市などが、地域起しのために地元特産のかんぴょうに目を付け、かんぴょうを材料にした食品のアイデアを募集し、補助金を提供したり、積極的な売り込みをやっているようです。

しかし、全国に通用するかんぴょう菓子や、かんぴょう食品はまだ誕生していないようです。歴史あるかんぴょうを、にわか知識でわかったように錯覚しても、よいものは生まれないということなのでしょう。

 

 

スローテンポ協会はかんぴょうにも輝いてもらいます

 

スローテンポ協会は、うさぎもかめもがスローガンです。誰もが働き誰もが輝くモデル事業をやっております。

金儲けの効率優先社会では、金儲けにつながる人材やものに価値があり、そうでない人やものは不要になります。スローテンポ協会は、人間もものも、決まった物差しで評価することはしません。だから、誰もが働き誰もが輝くことが可能なのです。

その理念はスローフード運動が掲げる理念と共通します。栃木県産のかんぴょうは、県外に出荷されても、国内産となっているだけで栃木県産と表示されないこともあります。これでは、中国産ではないという意味しかありません。

栃木県でかんぴょう農家が丹精込めて生産し、うまいものが出来れば、地元民が一緒に味を堪能し、沢山できれば地元民も一緒になって豊作を喜び、毎年収穫を祭り、「いいものができたから、県外の人たちも食ってみろ」、と言う。こういうスタイルこそが現代の地産地消でありましょう。

地元で消費されて始めて、よさがわかり、さらによいものが出来上がるのです。

地元で愛されないものを他県で売ろうというのはいただけません。

 

そこで、地元のかんぴょうを愛する人たちの声を聞かせてください。かんぴょうの食感、歯ごたえ、味、どのように調理したときにどのような特徴がでるか、など、広く情報を集めて集約し、どうすればかんぴょうに輝いてもらえるかを考えます。

 

スローテンポ協会では、話し合いの場を計画中です。どの様にかんぴょうを加工したら、多くの人に愛されるのか、好まれる味のお菓子に出来あがるのか。かんぴょうを愛する人はぜひ集まってください。意見をぶつけ合えるようにします。

 

ご意見募集!

 

話し合いのときを待てないという方は、すぐにでもご意見をお聞かせください。

ご意見に限らず、自信のレシピ、かんぴょうを使った菓子作品なども募集いたします。どうぞメールでお寄せください。

広く伝えるべきものは、このブログで紹介させていただきます。

 

 

さて次回は江戸以降の明治、大正時代の人とかんぴょうのかかわりについて歴史を記したいと思います。話はかんぴょうが江戸の武家町人に愛されたという歴史に戻るのであります。この時代の流通は河川を利用し、船で荷物を運んでいました。かんぴょうも船で江戸に送られたのです。  つづく

 

2016.12.27 たべものがかり

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Keyword : かんぴょう 地域活性化 スローフード ファーストフード 地産地消

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