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のぼり旗の利点と問題点  歩行者もお店も、のぼり旗に気をつけて

のぼり旗利点問題点

―――歩行者もお店も、のぼり旗に気をつけて―――



のぼりとは、旗(はた)の変形で、長方形の布などの横の一方と上とを竿にくくりつけたものをいい、単にのぼりもいわれる。

旗(はた)は、オリンピックの表彰式や船舶の国際表示などからもわかるように世界中で用いられているが、のぼり旗は日本独特のものである。大相撲、歌舞伎、寄席、神社や選挙運動、大学駅伝やマラソン大会などでは必ず見る。初めて訪れる外国人は、そこに日本独特の雰囲気を感じるようだ。

武士たちが刀や槍で戦っていた時代に、入り乱れる敵と味方を識別するために用いたのが起源とされる。のぼり旗という呼び名は上り調子のイメージと連動するので、様々な業種の店頭に設置されている。商売繁盛で景気がよいと思わせる心理的効果もあるようだ。

移動型看板などに比べても、安価で軽く簡単に設置できるので、屋外アピールの定番となった。異なる客層に合わせて多数用意しておき、昼と夜で変えたり、平日と週末で使い分けることもできる。デモで団体名を誇示するときや、災害現場の現場本部を示すためにも使われる。

街の飲食店や商店は、できるだけ客を呼びたいと願い、こぞってのぼり旗を揚げる。その気持ちはよくわかる。しかし問題点がないわけではない。私は危ない思いをしたことがある。


下野の裏ウォールストリート(ツタヤ裏通り)を歩いているとき、前方から車が来たので横へよけた。そのとき、のぼり旗が顔に当たりそうになった。

この道路は歩道がないので車が来たら、歩行者は道路わきの排水溝のふたの上を歩くことになる。そこに、のぼり旗が置かれていたのだ。しかもそれが低く設置されていて、上方の棒が、ちょうど目の高さになっている。細くてよく見えない棒が目の前に飛び出してきたのだ。

風によってのぼり旗は方向を変える。突風で突然変わることもある。注意していても、突き出た棒が通行人の目を突き刺すような大変な事態が起こるかもしれない。

のぼり旗について、たびたび指摘される問題点を6つに整理した。


接触による危険性

道路にはみ出して設置されていたり、低く設置されていれば危険であることは言うまでもない。設置する人は、道路に十分スペースがあるからよけて通れば危険性はないと思っているのだろうが、道路上では何が起こるかわからない。とっさに身をよけなければならないことはしょっちゅうあるし、まとわりついて転倒することもある。

人や自転車が転倒したり、自動車を傷つけるくらいのことは頻繁にあるが、事件として取り上げられるのは例外的で、大多数は示談で解決し話題にもならない。

通行妨害

のぼり旗が道路にはみ出していたなら、危険であるだけでなく通行を妨害する。車や歩行者は、よけて通行しなければならない。のぼり旗は絶えず動いているので、危険を避けるために一定距離を置いて通行することになる。周囲も含めて占拠していることになるのだから、狭い道路をさらに狭くする。

 ③周囲への注意を散漫にする

 信号や交通標識を見えずらくする。視界をさえぎって標識を見えなくするということだけではない。派手なのぼり旗と交通標識が並んでいたら、のぼり旗に気をとられて交通標識を見逃してしまうことになる。

 のぼり旗は周囲の景観や変化にも気付かなくさせる。隣のお店を目立たなくするので、互いに対抗して、のぼり旗競争はどこまでもエスカレートする。そして、それが街の雰囲気をつくることになる。

 ④強風による危険性

 強風によってのぼり旗がたびたび飛ばされる。それが人に当たることもある。路上に落ちたのぼり旗は、車や人が踏みつければ跳ね上がって危険である。台座ごと倒れて道路に横たわっていることもある。

塗料の付着

雨にぬれて塗料がわずかに溶け出し、衣服に付着することもあるようだ。汚れたものには触れないように離れて通行しなければならない。雨の日の歩行者は、路上の水たまりや車から跳ねる水に注意するだけでなく、風が強ければ、のぼり旗からのしぶきを避けて5メートルくらい離れて歩かなければならない。

景観を損ねる

のぼり旗の出し方やセンスにもよるが、汚れたのぼり旗が無秩序に乱立していれば、よい景観だと思う人はいないだろう。


自治医大駅近辺は、のぼり旗がやたらと多い。飲食店や商店がのぼり旗を出したい気持ちはよくわかるが、この街を歩行者にやさしく心地よい街にしたいなら、お店の側にも考え方を変えてもらう必要がある。

説教を始めると若者から「時代遅れのオジン」と言われ嫌われることになる。しかも、この手の話題はなかなか指摘しずらい。しかし、誰かが指摘しなければ、当の本人は気付かないのであえて言う。

のぼり旗の設置は、公道にはみ出さないということは当然守られるべき社会規範である。固定用の台座はもちろん、旗がはためいても敷地内に収まるよう設置しなければならない。

全体が敷地内に納まっていても、突起物を道路に向けてはいけない。人が押されて怪我をすることもありうる。

のぼり旗の既製品は、のぼりの高さを調節できるようになっているが、風にはためいて緩み、思いのほか低くなってしまうことがある。緩まないようきちんと止める。

上部の棒が突起物となるので、その高さの確認も必要だ。背の低い人が目いっぱい高く設置しても、身長のある人の目の高さになることもある。

170センチあれば大人でも大丈夫と言うものではない。身長2メートルの人もいる。「身長の高い人は、この街を歩かないでください」と排除することになってはいけない。

そうは言うものの、上部の棒が2.5メートル以上なら、異変でも起きない限り歩行者に危険はないだろう。

強風時には撤収する。苦情やトラブルがあればすぐに聞き受け、対処できるようにする。閉店後や管理が行き届かないときは設置しない。


センスの悪いぼろきれのようなのぼり旗の乱立は景観を損ね、街の雰囲気を悪くする。香港の過密集合住宅で、もの干し竿を道路の上まで突き出させて洗濯物を干している光景を連想させる。

街の景観をどうするかは、住民の合意で決めることになっており、のぼり旗は屋外広告物として、自治体が管理することになっている。

しかし、景観に関しては、一人一人感じ方が違うし、出す側もよい感じのものを出そうと工夫してのことだろうから、街としての合意形成には困難が付きまとう。

それはそうとしても、歩行者に対して危険なものなど明らかに社会規範に反するものはすぐに改善する必要がある。また、街全体を無視して自分たちの利益だけを追い求めるような考え方は、すぐに変えてもらいたい。

のぼり旗には、そこに描かれたアピール内容だけでなく、その設置のし方にも、お店の経営理念が現れる。平気で歩行者に危険を及ぼすようなのぼり旗を出している店は、客に何を出しているかわからないということだ。

誰かが死亡するか失明するかしなければ、問題に気付かないようでは遅い。読者のご意見をうかがいたい。


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幟旗の歴史や利点、問題点などを興味深く読みました。v-298文章で指摘された危険なことは、私も体験したことがあります。v-12社会生活のなかで、みんながルールを守れたらいいですねv-22
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