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文章を書くことの効用

文章を書くことの効用

 

 

文章はコミュニケーションの手段の一つです。コミュニケーションとは人と人との情報伝達のことをいいます。

対話もコミュニケーションの一つですが、すぐに内容が消えてしまいますし、話し手は一人、聞き手は数人までに限られます。また、対話は表情やしぐさがカバーするので、言葉のちょっとした間違いがあっても伝わります。しかし、それに頼ると、思わぬ誤解からトラブルにまで発展することもあります。

絵画や音楽は、感覚的なものやイメージを伝えます。サッカーの試合中は、ゴールをめざして選手どうしがアイコンタクトで敵方に気付かれないようにコミュニケーションをとります。

人類誕生以来、様々なコミュニケーションが誕生しました。動作、しぐさ、表情、音声などから始まり、絵やリズム、踊りなどの表現が生まれました。言葉が生まれてからは対話によって高度で正確なコミュニケーションが可能となりました。

文字の誕生は画期的です。言葉がそのまま記録され、空間と時間を越えて伝えたいことを正確に伝えることができるようになったのです。歴史をさかのぼっても、文字に残された記録が、後世に伝える情報量の豊かさは、他とは比べようがないものです。

言葉を文字で表したものが文章です。文章は伝えたいことを正確に伝える手段の一つです。

録音、録画技術の進歩により、最近では文字や文章に頼らずとも誰もが簡単に記録を残せるようになりました。インターネットの普及によって誰もが情報発信できるようになると、生活も文化も映像中心の時代となり、文字や文章は単に補助的役割を担うだけになってしまいました。

確かに録音テープや写真には証拠能力があるなど、文章にはない長所があります。しかし文章にも同じように、音声や映像にはないものがあります。

文章は、ときには直接対話する以上に役に立つ場合があります。言いたいことを他人に伝えるときに文章がどれだけ便利で役に立つかを思いつくままあげてみました。これは文章のすすめです。あなたも普段から言いたいことを文章にしてみませんか。

 

 

     簡単で便利

文章は紙と鉛筆さえあればよいのですから手っ取り早いといえます。

確かに、手紙を書くより、直接しゃべったり電話をかけるほうが手っ取り早いでしょうが、ちょっとした手間で、これから述べる②から⑫の効果が得られるのですから、その効果に比べれば手間はほんのわずかだと言えるでしょう。

プレゼントを贈るときも、少しだけ手間をかけてメッセージを添えたほうが、断然気持ちが伝わります。

 

     いつまでも残る

  いったん書けば、捨てない限り永久に残ります。

企業やお役所の記録も、学術論文も、歴史の記録も文章で残されます。もらった手紙もきちんと保管しておけば永遠に残ります。

 

     長さは自在

短文から長文まで自由に選択できます。

伝言メモから長編小説まで文章です。伝えたい内容によっては、どこまでも詳しく、深いところまで伝えることができます。

 

     内容は自由

伝える内容には、考え、事実、理屈、道理、知恵、アドバイス、賛成意見、反対意見など、言葉で表せるあらゆる種類の情報が含まれます。

 

     温度も自由

文章は、熱い思いや怒りの感情を的確な温度で表現できます。昔から喧嘩の仲直りや、誤解を解くために使われてきたのが文章です。文章はときには直接対話する以上に、伝えたいことが伝えられます。

喧嘩をした相手と仲直りしたいと思っても、直接会って話をするのはためらわれるものです。そういうときは手紙が助けてくれます。手紙は、相手のいない所で相手を想像しながら書くのですから、言いたいことを全て書き尽くせます。工夫次第で書き手も読み手も冷静になって互いを見直し、仲直りにつながります。

 

     書き手も受け手も指定できる

手紙などは、通常一人の書き手が特定の一人の受け手に向けて書かれますが、一般に文章は書き手も受け手も一人とは限りません。書き手は一人でも多数でもよいし、受け手は特定の一人でもある特定のグループでもよいし、不特定多数でもよいのです。

 

     あいまいな文から厳密な文まで自在に決められる

読み手の想像力に任せるようなあいまいな文章から、科学論文のように正確な文章まで、文章は厳密さを自在に選択できます。正確な文章は、書いた内容がそのまま相手に伝わり、間違いさえなければ的確に伝えることができます。その一方、短歌、俳句、詩、散文などは、読み手の想像力を刺激して独特の世界を伝えることもできます。

 

     スタイルも自由

文章に図や写真、挿絵を載せても構いません。文字スタイルも、活字、手書きは自由、活字フォントも大小、太細、丸文字、角文字など何でも駆使して、縦横斜めの独自スタイルで独自の世界を表現できます。

 

     誰でも書ける

 特別な能力や資格などを必要としません。少しの努力で誰にでも書けます。高齢者障害者は、思いがなかなか伝えられない憤りから、2次症状が出てしまうことがあります。思いを伝えるのに有効なのが文章です。

 自閉症の青年が文章という表現手段を得てから作家となり、多くの読者から支持されるという話は多数あります。


     文章にかける時間は自由

急いで書くもよし、ゆっくり書くもよし。落ち着いて書けば自分の思考、感情の整理ができます。

スピード追及の縛りからいっとき自分自身を解放するのですから、私たちがいつも唱えるスローテンポの効用がそのまま文章を書く効用となります。

 

     何度でも修正可能

  作家は一旦書いたものを読み直し何度も修正して作品に仕上げます。その過程を推敲(すいこう)といいます。書いていくうちに思い違いや、自分の考え方の間違いに気付くこともあり、いくらでも修正できるのですから、それが自分自身の成長につながります。

 

     書く人も読む人も能動的

 「うわー、きれいだ!」と思わず声がでることはあっても、その感動を書き留めるとなると、自分で書こうと思わなければなりません。また、文章がころがっていても読もうと思わなければ読めません。寝そべっているだけで、目や耳から文章が飛び込んでくることはないのです。

 テレビやラジオから流れてくる受身の情報は、本人の意思とは無関係に入り込んできます。それは商品の宣伝に利用され、油断していると知らぬ間に本人の価値基準が洗脳されて行きます。

 文章におけるコミュニケーションは、書きたい人が読みたいと思う人に書くのですから、能動的コミュニケーションといえます。書き手は、積極的に読みたい人だけを対称にしても良いのですから、どこまでも深く掘り下げて書くことができます。この部分は、次回『読書のすすめ』で詳しく取り上げます。

 

⑨⑩⑪⑫の4点は文章にしかないメリットであり、文章を書く最大の効果だと考えます。まとまらない考えも、文章にすると少しずつ修正され整理されます。整理されると考えがさらに奥深くまで進みます。文章を書きながら、ものごとをさらに深く見つめ、深く考えることになります。

 文章を書くことは心の病の防止にもつながります。心の病の多くは、自分を表現できず、自分の思いが誰にも伝わらない孤立した状態から生まれます。そのような状況に陥ったときは、文章を書いて自分の思いを的確に表現し、他人に読んでもらうことによって心の病は癒されます。


  ①から⑫まで文章のメリットをざっと並べましたが、まだまだ他にもあるでしょう。これだけ文章にはメリットがあるのですから、日常生活の中にもっともっと取り入れることをお勧めします。

生活の喜びや怒り、思いや感じたことを文章にして、エッセーや体験記、旅行記として多くの人に伝えることができれば、こんなうれしいことはありません。社会における自分自身の存在を再確認できます。

自分の思いを文章に残せば、すぐに伝わらなくてもいつか子どもや孫たちに伝わり、人生の貴重な記録になります。

 

最後に、これから文章を書こうと思っている人たちに、いつも言っていることを付け加えます。

文章はコミュニケーションの一つですから、他人が読んでわかるように書かなければなりません。自分だけが理解できるというのは備忘録や自分メモですが、たとえ明日の自分に向けての自分メモであっても、共通語で書いておかなければ、書いたときはわかっていても将来の自分に伝わるかどうかはわかりません。

文章のルールや文法に間違いがあっても、内容が正確に伝わるなら問題ではありません。できるだけ他人に読んでもらって確認しながら、言いたいことが正しく伝わることを目標にしましょう。

 

Sまだまだ


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