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『ゲノム操作と人権』 新たな優生学の時代を迎えて 天笠啓祐著 ☆☆☆☆

ゲノム操作と人権

新たな優生学の時代を迎えて

天笠啓祐

解放出版社2020年 1400円+税

 ☆☆☆☆

 

多国籍の独占企業は知的所有権を主張し、世界の農業における種子の大半を独占している。彼らが種子づくりで利用したのが、遺伝子組み換え技術だ。これに対し、ヨーロッパの消費者を中心に反対運動がおこった。

その後にゲノム編集技術が生まれた。

「この技術は遺伝子組み換えとは全く別物だ」ということで、各国の規制をのがれている。規制が特別にゆるいのが日本だ。そんな事実を、日本人は知らないでいる。

遺伝子組み換え技術とゲノム編集技術との違いなど、もっと知りたい人は、とりあえずこの本を読めばよい。

ゲノム編集技術は、その便利さから利用が急速に拡大している。巨大企業は知的所有権を主張し、それを武器に世界進出を加速する。

例えば、知らない間に飛んできた花粉により、ゲノム編集で生まれた遺伝子を持つ作物が生産され、知的所有権の侵害だとして、生産者は訴えられるのである。面倒を避けようと思う生産者は、始めからゲノム編集された種を植えるようになる。こうして知的所有権は、農業生産者の主権を否定する。

 

そんなゲノム編集は、人の生殖細胞の操作にまで及び始めている。人間の欲望は、刺激されればどこまでも強く求めるようになる。

生殖細胞の操作は本質的に優性思想からくる。人間には優れた人間と劣った人間がいる。劣った人間がいなくなり優れた人間ばかりになれば、人類にとって良いことだ。優性思想は人間をそのように理解し、実践しようとする。人間の優劣を評価するモノサシを、果たして誰が誰のためにつくったのだろう。

すでに人体実験が秘密裏に中国で実施された。生まれた子どもは18年間追跡されると公表されたが、それ以外の情報はことごとく隠されてる。

このままでは、世界中で都合よくデザインされた子どもが誕生する恐れがある。

メディアでは倫理上の問題が指摘され、デザインされたベービーだけが槍玉に挙げられ報道される。しかし、問題はもっと根深い。

ゲノム編集は完成された技術ではない。意図しない変異が次々と起こっている事実も示されている。

ゲノム編集で利権を得ようとするものたちが、科学技術の進歩をうたい上げ、人々の利己的欲望を刺激する。こうして多国籍巨大企業に富が集中していく。

この本は、事実に即して、そのことをいやというほどわからせてくれる。


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Keyword : ゲノム操作と人権 優生学の時代 天笠啓祐 知的所有権 遺伝子組み換え ゲノム編集 多国籍企業

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