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障害者は社会をやさしくする1.はじめに

 

障害者は社会をやさしくする  

――「障害者は不幸をつくるだけ」は違う!

    津久井やまゆり園事件とスローテンポ

    1

 

 

      も く じ

 

 1.はじめに 

 2.あてがわれた価値基準が障害者排除を生む

 3.「障害者」という言葉は競争社会がつくった

 4.差別と偏見が生まれるしくみ

 5.「弱肉強食」と「共生」の対立

 6.「共生」が差別と偏見をなくす

 7.「共生」の第一歩は「スローテンポ」から

 


1.はじめに

 

 津久井やまゆり園事件については様々な意見がある中で、月刊『むすぶ』550号に掲載された『ただちに、地域生活の実現!』を読んで痛く感動した。それまで聞く機会のなかった当事者からの意見が聞けたからだ。

訴えたのはすばる舎メンバー一同で、重度の障害を抱える人たちであり、支援を受けながら地域で暮らしている。障害を抱えるという点で津久井やまゆり園事件の被害者と同じ立場にあり、被害の当事者に最も近いと言える。彼らは被害者と同じ立場から、障害者が地域で暮らすことの大切さを訴えたのである。そのときの感想は、ブログに掲載した。(http://usagimokamemo.blog.fc2.com/blog-entry-5.html

 その後も事件に関する報道や意見に触れてきたが、いつも感じるのは当事者がいないということである。中でも驚かされるのは、「障害者は不幸をつくるだけだ」とする犯人の主張に対して、「理解できる」という言葉だ。そうした言葉は、むしろ障害者介護に直接携わってきた人の中に多い。

 「障害者は不幸をつくるだけだ」という言葉は、多くの人々に潜んでいる正直な思いなのだろうか。

 これに対して、特にとり上げるメディアはないようであり、支援者たちや支援団体もはっきりした答えを出していない。

 介護に携わる人が、このような言葉を障害者に面と向かって言えるはずがない。障害者と真剣に向き合うなら、この言葉が投げかける問題を何としても解決する必要がある。

介護殺人や介護心中が多発するのは介護現場の困難な状況を象徴している。介護の負担を全面的に背負わされた介護者たちは、自分の生活が立ち行かなくなって困り果てる。

「植松容疑者の主張も理解できる」という言葉がふと出てしまうのは、犯行そのものや優性思想を肯定するつもりではなく、介護の苦労を身を持って知り尽くした人たちが、その困難な状況を訴えたいからではないだろうか。

 だが、福祉への不満を障害者のせいにするのは間違いである。そこが整理されず混同されているようだ。日本の福祉は、介護の苦労を介護者に押し付け、介護者とその家族の生活を保障してこなかった。

 介護の仕事が大好きで希望を抱いて仕事に向き合っている人でさえ、結婚したら、家族を養えないという理由で離職する。介護という仕事に対する社会の評価があまりにも低いのだ。給料を正当な額にひき上げるだけでも多くの問題は解決する。

 この問題を中心に事件についての私自身の考えをまとめながら、植松容疑者の言葉が今の社会状況の中で持つ意味を考えた。

 津久井やまゆり園で働いたこともなく、植松容疑者とあったこともない私には、この問題を論じる資格はないかもしれない。しかし、多様な価値観を受け入れ互いに助け合って暮らす共生社会では、問題が起これば誰もが当事者となる。そう信じ、少しでも人の役に立てればよいと思ってまとめた。長文になるので、7回に分けて連載する。

 2に続く

 

Sまだまだ

2017.4.8第1稿

2017.5.改定第2稿

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