小山をやさしい街にするには
小山をやさしい街にするには
県別人気度ランキングで栃木県は最下位になった。栃木を知らない人たちのランキングだろうから、栃木を知ってもらう必要がある。
ご当地キャラを創り出したり、特産品を認定して宣伝するというのでは、他県のものまねになってしまう。
人気や広告に依存する考え方から抜け出そう。栃木のよさがわかるようにきちんと伝えれば、よいものは支持される。
それにしても栃木の入り口のような存在の小山駅周辺は、広告や宣伝ばかりで、気の効いた案内がない。小山の人たちは気付かなくても、小山を訪問する人にとっては、冷たさを感じる。
スローテンポ書店を訪れようと思っている人が、見つけられずに帰ってしまうことがたびたびある。それを後から聞かされる。ようやくたどり着いた人も、途中で何度も人に聞いたと言う。
「駅前ビルロブレの地下にある」とわかっているのに、すんなりたどり着けないのは、どこに原因があるのだろうか。
案内がないからだろう。
駅やビルの設計上の動線のまずさは、今さら言っても始まらないが、気の効いた案内を充実させればカバーできる。その案内がない。
改札口を出て見渡しても、「ロブレはこちら」などの案内は一切ない。
改札口からロブレまでの最短ルートは、駅前ビル「バル」3階から連絡通路に出るルートであろうが、案内が一切ない。人から説明されても、表示もなく通路が狭いので不安になる。
連絡口も狭く目立たず、やっと見つけても、そこがロブレへの連絡口だと知らせる表示がない。横文字のロゴマークだけでは、初めての人にとっては何のマークかわからない。
道路に出て歩き回るか、人にたずねるかしてロブレを見つける人も多い。一階入り口からロブレに入ると、そこは1階テナントの商品で占拠されていて、案内が一切ない。ロブレが集合ビルであるという雰囲気ではない。
一階地階は通路や踊り場にまで商品がわんさか並べられ通行を邪魔するし、呼び込みアナウンスが響き渡る。スローテンポ書店を目指していても何か間違えたと思ってしまう人が多いだろう。
これでは普通の人なら改札口からスローテンポ書店までたどり着けないのは当然だ。
案内がないのは、スローテンポ書店に限らず、小山駅周辺の商店とその顧客たちにとって共通する問題だと思われる。
魅力ある商品を売っていても、すばらしいサービスを提供していても、気付いてもらえないというのが今の小山である。
では、どうすればよいのか。
当然、気の効いた案内を増やすことになる。
ところが、案内を出すにも広告料がかさむ。改札口を出て誰もが目に付くところに大きな案内を出すとなると、それなりに負担が増える。
目先の利益だけにとらわれ立場ばかりを主張するから、対立が生まれ何事も進まない。例えば、改札口正面の駅ビル前に、「ロブレ連絡口」の大きな案内を共同設置すれば、新しい人の流れをつくり出すことができる。ロブレに行く客が駅ビル内を通行することは駅ビルにとっても良いことである。門前街は通行客がいるからできたのだ。
案内は広告ではない。
はっきりと境界線があるわけではないが、広告は宣伝が目的であるのに対し、案内は相手を思いやるサービスである。
広告は情報の正確さよりも、客をその気にさせることが目的である。ウソもあるから見る人は安心できない。
それに対して案内は、客や通行人が困らないようにする心遣いである。店の利益よりも客への親切を大切にする。客は安心できるし、無言のうちに安心と信頼が生まれる。
広告は利益追求のために利用される。 広告業者も利益を優先するから場所や大きさによって広告料が決まる。カネをかければかけるだけ広告効果は上げられる。
広告の力で買う気にさせることがビジネスとなってしまった。資本力がものをいい、小規模店は淘汰される。
駅周辺の案内マップまで、掲載料が必要だという。いいものを売ろうという店も資本がなければ成り立たない。
広告ばかりで案内がないから、人は無意識にも冷たさを感じ居心地が悪くなる。
小山に客にやさしい案内を増やし、居心地のよい小山、親切な小山にしようではないか。
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