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こんな本があります

 

見えない人こそよくみえる


   視覚障害者ガイドヘルプの手引き』

 

   速水洋速水基視子

   生活書院2012年 1300円+税

 

 

 この本は副題にあるとおりガイドヘルパーにとって大切な心得を解説するものであるが、視覚障害関係者だけでなく、一般の人にとっても得るものが多い。


 視覚障害者が外出するとき、ガイドヘルプを依頼する。ガイドヘルパーはプロフェッショナルな職業であるが、新人でスキルが及ばず利用者が困ることがある。あるいは、ベテランであっても独りよがりで利用者を困らせることもある。ところが利用者は、お願いする立場だから、苦情を言えない事情がある。

 この本は、視覚障害者たちからの苦情を集め、それを伝えることによって、ガイドヘルパーのスキルアップに役立ててもらおうとして書かれたようだ。

 しかし、一般の人が読んでも、ためになることがたくさんある。視覚障害者の思いを知ることによって、彼らが置かれた現状を知るだけでなく、相手が視覚障害者や他の障害者に限らず、普通に暮らす日常においても、これまで良かれと思ってやってきたことが、単に親切の押し売りではなかったか、とドキリとさせられる場面が多い。

 

それにしてもタイトルが素晴らしい。

著者は言う。

人は自分にメリットがなければ、他人に近づかない。全盲の私に接してくれる人は、心底やさしい人なのだ。全盲だから人の心が見えてくる。


視覚障害者に限らず、障害のある人は、障害のない人が気付かないことにも気付く。

街や施設がいくらバリアフリーを掲げていても、実際には障害者が利用できないことがよくある。一見バリアフリーで豪華な建物や点字ブロックを敷設した立派な道路が完成しても、実際に利用してみたら使えないことばかりである。施設や道路づくりには、計画を進めた人たちの人間性が現れる。

 妊娠したときやぎっくり腰になったとき、足を捻挫したときなども、苦労せず電車に乗って仕事が続けられるようになったのは、障害者たちが駅にはエレベーターが必要だと指摘してくれたからである。誰にとっても優しい社会をつくるには、障害者の目が必要なのだ。障害者がともに暮らす社会は、誰にとってもやさしい社会となる。

 

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